2022.07.08
映画「杜人 – 環境再生医 矢野智徳-」を観て
今年の蔓取りも終わりを迎えようという7月の初め、上田市の上田映劇にて映画「杜人」を観に行きました。
初日のこの日は終演後にアフタートークもあり、映劇には多くの来場者が。
独自の理念に基づき、痛んだ環境を再生する造園技師の矢野智徳さんに密着したドキュメンタリー映画。
自然素材を扱い、自然環境に関わる仕事をしている端くれとして、勉強になるかなと思い観劇したところ、予想に反し、勉強になるどころか割と序盤から終始涙が止まらなかった。
流れる涙を拭いながら、感動とも少し違う、これは何の涙だろう?と自問自答しながら最後まで見終えて、自分の中で出た答えは感謝の涙だと気づいた。
環境問題を抱えながら現代に生きる者として、このままではいけないとは思いつつもどうしたらいいのか分からない多くの人々の代わりに、
綺麗事で塗り固められた環境問題を、本当の意味で正しい方向に戻そうとしてくれている。
そして、その活動に心を打たれて、彼の活動に参加している人がいる、更に映画としてこうして世に出してくれている人がいる。
心の底から「ありがとうございます」と。
昨今の天災も温暖化もコロナウイルスも根源は全て人間の行動によって引き起こされている。
地表の小さな穴一つで大気が流れ込み、風を生み、空気が循環する。
植物も動物も昆虫も、人間以外の全ての生き物はみんなやっている。
人間だけが逆にそれをコンクリートで固めて堰き止めている。
全ての問題には必ず理由がある。
『植物は人間の奴隷ではない。息をしている限りまだ間に合う。』
という言葉がずっと頭の中を反芻している。
手遅れになる前に、自分も何かしなければと思える、地球で暮らす全ての人間が観るべき映画だと思う。